独立行政法人 労働者健康安全機構 浜松労災病院

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薬剤部

当薬剤部は薬剤師13名と助手2名で日常業務を行っています。
私たちの主な仕事は、調剤業務・注射業務・製剤業務・TPN(高カロリー輸液)業務・がん化学療法業務・医薬品情報の管理と提供(DI) ・薬剤管理指導業務・病棟薬剤業務・医薬品の管理・NST(Nutrition Support Team)やICT(infection Control Team)などのチーム医療への参加 ・糖尿病教室での薬の説明・薬学生の実務実習における育成など多岐にわたっています。

年々高度化・専門化していく医療技術とともに増えていく多くの薬の情報を正確に取り入れ、積極的に薬物療法に参加することで、 医師をはじめ各スタッフと連携し「医療の担い手」として、医療の質の向上、医療安全の確保に努めています。

現在薬剤師が取得している認定資格は日病薬感染制御認定薬剤師、日本臨床薬学会外来がん治療認定薬剤師、日本糖尿病療養指導士、 日本静脈経腸栄養学会認定NST専門療法士であり、日々薬剤師一人一人が自己研鑽しております。
それでは、各業務を簡単に御紹介致します。

① 調剤業務

調剤業務では、内服薬と呼ばれる直接患者さんがのむ錠剤、カプセル、散剤や、外用薬と呼ばれる貼付剤、点眼剤、吸入剤などのお薬を調剤します。

医師が処方した入院・外来患者さんの薬の処方箋をみて、飲み合わせ・飲み方・血液検査値などをチェックして、調剤を行っています。 また、主に入院患者さんを対象に服薬アドヒアランスの向上や飲み間違いの防止として、一包化、簡易懸濁、錠剤の粉砕など、患者さんに合わせた調剤をおこなっております。 必要な場合は、医師や看護師に確認をおこなった後、お薬を払い出しています。

② 注射業務

注射業務は内服薬の服用が困難な患者さんや手術をする患者さんに使用するアンプルやバイアル、輸液やシリンジといったものを調剤します。
医師が処方した入院、外来患者さんの注射薬の注射箋をみて、投与速度・投与量・投与ルートなどのチェックをして調剤を行っています。 また、注射薬の中には混合すると濁ったり薬の効果がなくなってしまったりする薬があり、 これらも事前にチェックして必要な場合は、医師や看護師に確認をおこなった後、お薬を払い出しています。

③ 製剤業務

院内製剤とは市販されていない特殊な薬、消毒薬などを作るために調製・滅菌・アンプルへの充填・混合などをする業務です。 また、調剤の合理化を図る目的で、よく処方される粉薬や軟膏などの混合をあらかじめ行っています。

④ TPN(高カロリー輸液)業務

手術などで長い期間食事のできない患者さんは、栄養補給としてアミノ酸・電解質等の種々の注射薬を混合した高カロリー輸液の投与が行われます。 薬剤部では細菌感染の危険性を考慮して、無菌室で注射薬の混合を行っています。また、患者さんの病態に応じたカロリーや組成の確認も行っています。

⑤ がん化学療法

外来・入院患者の抗がん剤の注射薬の調製は、全て薬剤師が行っており、また同時にがん化学療法をおこなう患者さんの薬歴の管理や服薬指導も行っています。 抗がん剤注射薬の調製は、2階の化学療法室にある安全キャビネットで行っており、薬剤師が治療をおこなっている患者さんの身近で作業することにより、 抗がん剤投与中の患者さんに副作用等が起きた時、適切な助言ができるなど、安全ながん化学療法が行える環境を整えています。

⑥ DI業務

医薬品の有効性・安全性をはじめ、信頼性の高い医薬品の提供を目指して、メーカー・PMDA(医薬品医療機器総合機構)等から適正使用に必要な情報を収集・管理し、 医師・看護師などの医療スタッフへ提供しています。

⑦ 薬剤管理指導業務 病棟薬剤業務

当院では全ての病棟で、専任の薬剤師を配置しています。
病棟に専任配置された薬剤師が、病棟における薬に関すること全般に責任をもって業務にあたっています。
服薬指導では、入院患者さんに対して薬の飲み方や作用、副作用、飲むときの注意点などを薬剤師が薬の専門家の立場から説明します。

また、患者さんが日常服用している持参薬の確認・管理、服用する薬の量や相互作用の確認、点滴の流量や配合変化の確認や、 患者さんの状態を適宜確認することにより、お薬の効果・副作用等に関する状況の把握も行っています。

持参薬とは、入院するまで患者さんが使用していた薬(目薬や塗り薬なども含む)のことです。 患者さんがもってこられた薬について、用法用量についての確認や今までの薬への副作用などについて伺っています。 この情報を主治医へ提供することにより、入院中の安全な薬物療法の推進に貢献しています。

⑧ 医薬品の管理

院内への医薬品への提供を安定的におこない、期限チェック、温度管理、湿度管理等、品質の担保に努めています。

⑨ チーム医療への参加

当院ではNST(Nutrition Support Team:栄養サポートチーム)、ICT(Infection Control Team:感染制御チーム)などのチーム医療へ参加しています。

NSTとは院内の患者さんに最良の栄養療法を提供する為に構成されたチームのことです。ここで薬剤師は栄養薬剤・栄養輸液メニューの提案・指導を行っています。

ICTとは院内で起こるさまざまな感染症から患者・家族・職員の安全を守る為に構成されたチームです。 ここで薬剤師は耐性菌を発生させにくい適切な抗菌薬の使い方や感染経路対策など、感染薬物治療の適切かつ安全な実施に貢献しています。

⑩ 糖尿病教室

当院での糖尿病教室は、1日に1~2講義、2週間を1クールとしてカリキュラムを組み、 医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、看護師、理学療法士、臨床検査技師がそれぞれの分野の講義を30分ほどずつ行っています。 薬剤部では、第2週目の木曜日に、「薬の話」を担当しています。

⑪ 薬学生への病院実務実習

平成18年度より薬学教育が6年制に移行となり、それに伴い病院・薬局実務実習が開始されました。
当院でも、薬学部実習生の受け入れを行なっております。
未来の医療の一端を担う薬剤師を育成するために、病院薬剤部としても受け入れ体制の充実が求められていますが、
当院の薬剤部では生涯研修認定、実務実習指導認定などを習得、教育体制を整えており、 スタッフ一同後進の育成に力を注いでいます。