整形外科

脆弱性骨折

脊椎の脆弱性骨折の手術がますます増えております。
変形の強く、透視でも形態を確認しづらい高齢者の脊椎の固定は難易度も高く、手術時間も長くなります。
当院ではMedacta社のMyspine systemを採用しており、固定インプラントをPSG（patientspecific guide）で設置しております。（図1、2）。これにより2椎間程度の手術なら2時間かからず出血量も少量です。
6椎間でも3時間弱です。高齢者の高度に変形した圧迫骨折患者さんのADLを維持できると考えております。
同システムはVersion Upしており、S2AIという腸骨スクリューにも対応するようになり、また、頸椎にも応用できるようになりました。
これにより、成人脊柱変形にも正確なインプラント設置が容易にできるようになります。

骨粗鬆症

DEXAの診断精度を上げ、Anabolicwindowを確保するため骨形成薬を積極的に使用しております。
脆弱性骨折ネットワークにも所属し、院内での骨粗鬆症リエゾン体制を整えております。
治療、生活、食事指導にも力を入れております。
特にカルシウム補充には注力しており、腎機能低下や高カルシウム血症に十分注意して行っております。
これにより、通常よりかなり良い成績が得られつつあります。

積極的に骨形成薬に取り組んでおりますが、ロモソズマブ、アバロパラチド、テリパラチドを中心に症例数を増やしていっております。
適宜、その成績は発表させていただく予定です。

また、開業医の先生方の連携も引き続き強化していっております。

鏡視下手根管開放術（ECTR）

2022年以降、鏡視下手根管開放術（ECTR）が増えました。
当院で行っている鏡視下は手根管外側アプローチによる手術で、従来式（Open, Semi-open）ECTR当院でのECTRとさらに侵襲を軽減させております。
安全性も向上させた手技で行っております。
母指CM関節形成はSuture Button SuspensionArthroplastyで良好な成績を得ております。

肩腱板断裂

肩腱板断裂の関節鏡手術も増えております。
全例再断裂なく、良好な成績を出しております。
診断の難しい、 肩甲下筋の断裂にも対応しております。
またReverse型人工肩関節も行っておりますので、腱板断裂には広く対応できます。
高齢者の腱板断裂には骨粗鬆症の治療を強化することで関節鏡の適応が増えると考えております。

脊椎変性疾患

変形を伴った腰部脊柱管狭窄症には積極的に前方後方同時固定（LLIF）を行っております。（図3）
固定を要しない場合は棘突起縦割式椎弓形成術を行っており、脊柱起立筋のダメージを最小化するよう努めております。
不安定性を呈する頸椎疾患に対してはNavigation systemで難易度の高い手術も安全に行えております。（図4）

リウマチ治療

リウマチ専門医がおりますので、免疫抑制剤、生物学的製剤の適切な調整の下、手術を行っております。

ペインクリニック

超音波機器を用いて疼痛疾患の治療にも取り組んでおります。

人工関節

人工股関節は術前CTプランニングにより正確な設置を実現できております。（図5）
人工膝関節も術前CTでのプランニング（図6）に加え、Medialstabilizing法で早期回復、良好な可動域獲得ができております。
人工膝手術の術後の疼痛もカクテル注射、大腿神経ブロックにて軽減を図っております。