独立行政法人 労働者健康安全機構 浜松労災病院

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消化器外科詳細

対象疾患

消化器外科

 食道から胃、十二指腸、小腸、大腸、肛門にいたるまですべての手術をおこなっています。 がんの治療方針については、カンファレンスを行い各々のガイドラインをベースに、患者さまに 最適の手術・治療を決定します。良性疾患だけでなく、大腸がん・胃がんといった悪性疾患に 対しても、2005年より腹腔鏡下手術を導入し、より低侵襲な手術を心がけています。

一般外科

 鼠径ヘルニア(いわゆる脱腸)に対しては、tension free なメッシュによる補強を行うことで 術後早期の回復を図っております。 虫垂炎の患者さまには、迅速に必要な検査(CT、US、血液検査など)を行い、手術の必要性を 検討し、緊急手術にも24時間対応しています。手術は腹腔鏡下虫垂切除術(単孔式)で ほとんど行っております。 その他、胃・十二指腸潰瘍穿孔や大腸穿孔などの腹膜炎や、イレウス(腸閉塞)などの疾患に 対しても迅速に対応することを心がけております。

腹腔鏡下手術について

 昨今、腹腔鏡下手術がいろいろな手術に応用されるようになってきています。 当科でも積極的に腹腔鏡下手術を導入しています。 腹腔鏡下手術は、カメラと小さな手術道具を用いて行う手術です。身体には、 それらの器具がはいる小さな穴を数か所開けるだけで済みます。手術の傷が 小さいので、痛みも少なく、早期回復・退院が患者さまにとってメリットの大きい手術です。 しかし、安全性・根治性が第一なのは言うまでもありません。もし、術中に遂行が難しいと 判断された場合は、躊躇なく従来の手術に切り替え、安心して手術を受けていただけます。

最近では、胆のう摘出術や虫垂切除術の時に単孔式腹腔鏡下手術を行っています。 これは、臍の傷1か所の穴をあけて、腹腔鏡手術を行う術式ですが、臍の傷は術後しばらく するとくぼみ、ほとんどわからなくなるくらいになり、患者さまに好評です。従来の腹腔鏡より やや難度が高いのですが、胆のう・虫垂切除術ともに合併症のない成績を残しています。 また、大腸がんの腹腔鏡手術においても減孔手術(reduced port surgery )を行っています。 従来では穴の数が5か所であったものが、1~3か所で済んでいます。

(最近の大腸手術における腹腔鏡の割合と、H25年4月~7月までの腹部手術における 腹腔鏡の内訳をグラフに示します)



クリティカルパスの導入

 当院では順次クリティカルパスを導入しております。外科におきましても、胆のう摘出術をはじめとして、5種類の パスが作成され運用しています。

クリティカルパスとは、医療チームが特定の疾患、手術、検査ごとに、共同で実践する治療・検査・看護・処置・ 指導などを、時間軸に沿ってまとめた治療計画書です。パスには、医療者用と患者さま用の2種類があります。 患者さま用パスは、わかりやすい言葉やイラストを用いて、患者さまが理解しやすいように作成したものです。 パスで示されるのは標準的な経過です。すべての患者さまに対して、オートメーションの流れ作業のように 画一的な医療をおこなうわけではありませんのでご安心ください。むしろ、患者さまの経過に何らかの異常があれば、 早期にそれを発見し、対応することが可能となります。




肝切除術パス


膵頭十二指腸切除術パス