中央放射線部Central Radiology
中央放射線部の特色
中央放射線部では質の高い放射線検査の画像および診療情報を提供することで常に患者サービスの向上に努めています。また、当院の医療機器は 脳神経外科、循環器内科、心臓血管外科など血管領域における夜間休日の緊急業務に対応しております。
スタッフは患者さんに正確・迅速・適切な医療を提供できるように日々努力しており、検査等に疑問・質問などがございましたらお気軽にご質問ください。担当スタッフがお答え致します。
スタッフ紹介
部長以下17名(女性5名)のスタッフで構成されております。
資格・認定
- 検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師
- 臨床実習指導教員
- ピンクリボンアドバイザー
- Ai認定診療放射線技師
- 胃がんX線検診専門技師
- 放射線機器管理士
- 胃がんX線検診指導員
- 放射線管理士
- カプセル内視鏡読影診断技師(小腸)
- 放射線被ばく相談員
- 超音波検査士
- 磁気共鳴専門技術者
- 肺がんCT検診認定技師
- 医用画像情報精度管理士
- 胃X線読影補助認定技師
医療機器
一般撮影部門 | 4室 | 一般撮影室3室、乳房撮影1室 |
骨密度測定室 | 1室 | 骨密度測定室1室 |
X線透視撮影部門 | 2室 | 透視撮影室2室 |
血管撮影部門 | 2室 | バイプレーン血管撮影室2室 |
CT部門 | 2室 | 320列CT1室、80列CT1室(治療計画兼用) |
MRI部門 | 1室 | 1.5T装置室1室 |
核医学検査部門 | 1室 | 汎用装置室1室(全身、SPECT兼用) |
放射線治療部門 | 1室 | リニアック室1室 |
移動型装置 | 7台 | 撮影装置4台、透視撮影装置3台 |
検査について
CT検査
当院のCT検査は、320列CTと80列CTの2台体制にて運用しております。
320列CT装置は、0.5mmスライスの検出器素子が320列並んでおり、1回転で16cm幅を撮影できるX線CT装置です。そのため、脳や心臓などの1臓器を最短0.275秒で撮影することが可能です。AIを活用した最新技術が搭載されており、少ない被ばく線量でも高画質なデータを得ることができます。
短時間・低被ばく・低造影剤での検査が可能となるため、患者さんの検査時の負担が軽減され、さらに高分解能かつ様々な情報を得ることができ、これまで以上に正確な診断が行えます。
CTとMRIはなにが違うのですか?
大きな違いとして、CTはX線被ばくをしますがMRIは強い磁石と電磁波で画像を作るため被ばくしません。
CTは短時間で広範囲の撮影が可能ですが、MRIは一つの写真を撮るのに2分~5分を要します。そのため動きに弱く一度に広範囲を撮ることができません。MRIは、様々な種類の画像を得る事ができるためCTで鑑別が難しい病気などを診断する事ができます。
MRIは、造影剤を使用しなくても血管を撮像することができるのも特徴です。
血管撮影検査
当院では2台の血管撮影装置が導入されております。
大腿の付け根や肘・手首などの比較的皮膚から近くに血管がある場所から太さ1~2mm程度のカテーテルと呼ばれる管を挿入し、そこから造影剤というお薬を流して血管や病気の原因となる場所を映し出す検査です。
低線量で高画質の血管像や動脈瘤、腫瘍を描出できるテクノロジーを搭載し、被ばくを大幅に軽減した診断と治療を可能にしています。
大動脈ステントグラフト(EVAR/TEVAR)
胸部及び腹部大動脈瘤に対して開胸、開腹をせず足の付け根からカテーテルによりステントグラフトという金属の筒を挿入して大動脈瘤の治療を行います。胸部に挿入するステントグラフト術をTEVAR(ティーバー)、腹部に挿入するステントグラフト術をEVAR(イーバー)といいます。
手術室に導入することで緊急時すぐに開胸開腹手術へ移行することができ、より清潔な環境下で手技が行えるようになりました。
ステントグラフトは開胸開腹手術と違い、低侵襲にて行えるため高齢者や合併症の多い等で手術に耐えられない患者さんに対しても行えます。造影CT検査にて形状を確認し、ステントグラフトで手術できるかを判断します。
気になる方は当院心臓血管外科へご相談下さい。
乳房X線撮影(マンモグラフィ)検査
マンモグラフィ検査では、透明な圧迫板と専用の装置で乳房を片方ずつ挟んで撮影します。この検査は、視触診ではわからない早期のがんを発見することに効果があります。また、定期的に検査をすることで乳房の変化をとらえることができるため、乳がんの発見に役立てることができます。
当院ではNPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構の認定を取得している女性技師が撮影にあたっています。検査の所要時間は15分程度(入室から退室まで)です。
少しでもリラックスして検査を受けていただけるよう撮影室内の環境にも配慮しています。
マンモグラフィと乳腺エコーはどちらを受けたらいいの?
より正確な診断のためには併用することが理想ですが、それぞれの検査には得意とする病状に違いがあります。どちらか一方を選択する場合は個人の乳腺密度(乳房構成)の違いでおすすめする検査が異なります。乳腺密度はマンモグラフィで確認することができます。翌年からの検診に際してどちらの検査がご自身に向いているのか医師、技師にご相談ください。
また、当院では日本における乳がんの罹患率の現状など、受診者さんの知りたい情報を検査時にいつでもご案内しています。
ブレスト・アウェアネスってご存知ですか?
ブレスト・アウェアネス(breast:乳房 awareness:意識)とは、自分の乳房の状態に日頃から関心を持ち、乳房を意識する生活習慣のことを意味します。具体的には、 日頃の生活の中で次の4つのアクションを心がけてください。
- ① 自分の乳房の状態を知る
- ② 乳房の変化に気をつける
- ③ 変化に気づいたらすぐ医師に相談する
- ④ 40歳になったら2年に1回乳がん検診を受ける
X線TV検査
静止画として観察するのではなく、動画としてリアルタイムに観察しながら行うことのできる検査です。体の中を透視して観察できるので、バリウム検査をはじめ、各診療科でのいろいろな検査に応用されています。
当院で行うことのできるバリウム検査は?
・胃X線検査:検診および手術を目的とした精密検査を行っています。
・小腸X線検査:胃や大腸の検査を行っても原因が断定できない場合や、小腸の炎症性腸疾患の疑い、経過観察などに行います。
・注腸X線検査:お尻から管(くだ)を入れ、バリウムや空気を入れて行う検査です。大腸にできるポリープや腫瘍、大腸炎の範囲を知ることができます。バリウムを使用することで、臓器が造影され異常を見つけやすくします。また、発泡剤といって胃腸を膨らませるお薬を飲むことでさらに詳細な画像が得られます。体の不自由な方や動くことに不安のある方、精密検査の場合には技師が検査室に入って介助させていただきながら検査することもあります。安心して検査を受けてください。
医師の読影補助を行なっています
当院では、医師に提出する前の検査画像を、技師で確認する作業を行っています。これは「読影の補助」と言って、医師の働き方改革を手助けする、厚生労働省から技師に課せられたお仕事でもあります。当院では各分野の認定技師取得を目指しより良い医療の提供に努めております。
一般撮影(X線撮影)検査
一般的にレントゲン検査と言われる検査です。X線が人体に透過して、検出器(X線を板に取り込むことで臓器や骨を画像にする装置)で読み取ることで体内の状態が分かり、骨折や臓器の異常を描出することができる検査です。
撮影部位によって、金属やプラスチック等を外して頂くことや検査着に着替えてもらうことがあります。金属やプラスチックが映り込んでしまうと正確な診断ができなくなるため、ご協力お願いいたします。
被ばくについて
私たちは日常生活で自然放射線を浴びて生活しています。胸部一枚の写真は自然放射線より非常に少ないです。そのため経過観察や治療などで頻繁に撮影をする場合がありますが、安心して検査を受けてください。ご心配な方は技師へご相談ください。
骨密度検査
骨の中のカルシウムやミネラルの量を測定し、骨の強さを調べる検査です。骨粗鬆症(こつそしょうしょう)や他疾患による骨密度の低下の診断を行うことが出来ます。
骨密度検査は受けた方がいいですか?
骨粗鬆症は、閉経後の女性ホルモン低下により骨密度が下がるため女性に多いとされてきましたが、近年では高齢化により、男性にも多く見られます。また、骨粗鬆症による骨折をきっかけに、要介護となってしまう場合も少なくありません。
骨粗鬆症は早期発見による予防が大切ですので、定期な骨密度検査をおすすめします。当院では、骨密度検査を検診でもお申し込みいただけます。健康診断部までお問い合わせください。
移動型(ポータブル)X線検査
当院ではFPD搭載の移動型ポータブル装置を導入しており、従来の装置と比べ軽量(5分の1程度)でコンパクトなサイズのため、狭い病室でもスムーズに撮影が可能です。また、少ない線量で鮮明な画質が得られる高感度システムにより、患者さんの被ばく低減を図ることができます。
MRI検査
様々な部位を多断面に撮像でき、造影剤を使用しない血管描出も可能です。当院では24時間いつでもMRI検査を受けることができるため、迅速な脳卒中の診断を行うことができます。
時間外予約を受け入れています
平日昼間の診療時間内に来られない方のために17:00以降の予約検査も行っております(水曜日、木曜日のみ)。また、MRI対応ペースメーカーを挿入している患者さんの撮像も積極的に受け入れています。
アルツハイマー型認知症の原因である脳の萎縮度を調べられます
VSRAD(ブイエスラド)と呼ばれる解析方法で、当院では認知症の原因である脳の萎縮度を調べることができます。アルツハイマー型認知症では内側側頭部(海馬・扁桃・海馬傍回)の萎縮が起こります。通常の頭部MRI検査時間に6分延長する事で萎縮度を調べることができます。
当院でMRI検査をご希望の際は地域医療連携室(053-411-0366)もしくは主治医へご相談下さい。
RI(核医学)検査
放射線を放出するくすり(放射性医薬品)を静脈から注射し、検査ベッドに横になっている間に、ガンマカメラ(装置)で体の様子を画像(シンチグラム)にする検査です。検査時間は他検査より多少長いですが寝台に寝ているだけの検査です。
注射した放射性医薬品は、体内の臓器、組織に集まります。その分布や集まり具合、経時的な変化を画像化することで、形態のみではなく臓器の機能的な評価が可能となります。脳の血流、心筋の血流や神経機能、骨の異常、悪性腫瘍などの診断に幅広く行われています。検査の種類によっては、注射後時間をおいて放射性医薬品が目的部位に集まるまで待ってから撮影する検査もあります。
パーキンソン症候群やレビー小体型認知症の診断ができます
CT検査やMRI検査では分からない、ドパミン神経の変性・脱落の程度を評価することで、パーキンソン症候群やレビー小体型認知症の診断が可能です。病期の早期診断や鑑別診断に役立ちます。
放射線治療
放射線をからだに照射し、からだの外から病気を治療します。また、手術前にがんを小さくする、手術の前後に再発を防ぐ、骨に転移したがんによる痛みを和らげるなどの目的で行われます。