呼吸器内科
■特色
当科では、 呼吸器専門医・指導医、気管支鏡専門医・指導医、アレルギー専門医・指導医、
総合内科専門医・指導医の指導のもとに卒後8~10年目の呼吸器専門医資格を有する若手医師と一緒に診療に取り組んでいます。
年間入院患者数500人以上、気管支鏡件数150件以上と中規模病院の呼吸器内科としては、activityが高いと自負しています。
入院患者さんの検査や治療の方針をカンファレンスで検討、決定することはもちろんですが、
外来初診患者さんの胸部X線・胸部CTも指導医がチェックして、複数の医師で検討し、方針を決定しています。
間質性肺炎は当院の最も得意とする疾患の一つです。
間質性肺炎には顕微鏡レベルでは様々なパターンに分類されており、
膠原病や過敏性肺炎、塵肺など原因があるものから特発性まで多岐にわたっています。
治療反応性や予後もさまざまであり、無治療で何年間も進行しないものから、
週の単位で呼吸不全に陥り、治療に反応せず、予後不良の転帰を辿る症例もあります。
間質性肺炎の患者さんには気管支鏡検査(症例によっては胸腔鏡下肺生検)・呼吸機能検査・血清自己抗体などの精査を行って、
原因および病型パターンを的確に診断し、経過観察のみから抗線維化薬やステロイド・免疫抑制薬など、個々の患者さんに適した治療を行っています。
気管支喘息は近年増加傾向にある疾患ですが、 昔に比べると吸入ステロイドの普及によりコントロールは良好になってきており、
総合病院の専門外来では、通常の治療 においても増悪を繰り返すような重症例を扱うことが多くなっています。
最近ではアレルギー炎症に関与する蛋白(免疫グロブリンEやサイトカイン)に対する抗体製剤も使用可能となっており、
投与例では副作用が懸念される全身ステロイドが不要となるような劇的な効果がみられています。
タバコが主な原因であるCOPD(肺気腫)も気管支喘息と同様により有効な気管支拡張薬の登場により、自覚症状の改善や増悪の抑制が可能となっています。
進行肺癌の治療における進歩もめざましいものがあり、肺癌細胞の遺伝子変異に基づく分子標的治療薬のほか、
最近、注目されている免疫チェックポイント阻害薬の上市により、進行肺癌の生命予後は明らかに以前より改善しています。
手術の適応とならない進行肺癌の症例においても病理組織型や遺伝子検査の結果に基づいて最適な治療を提供できるよう努めています。
肺炎は日本人の死因の第3位であり、最も一般的な呼吸器疾患です。肺炎の患者さんにおいてはガイドラインに沿った適切な治療を提供しています。
非結核性抗酸菌症も増加傾向にある重要な疾患です。
残念ながら、有効な治療方法が確立されていない疾患の一つですが、
検診で発見されるような比較的軽症の段階から気管支鏡検査による診断確定に努め、可能な限り、早期に治療介入を行うように心がけています。
肺結核も日本の新規発生件数は減少傾向にあるものの先進諸国と比較すると発生数の多い重要な疾患です。
胸部CT所見は非結核性抗酸菌症と類似していることもあり、頻回の喀痰検査や気管支鏡検査による確定診断に努めています。
胸膜炎の患者さんにおいては、胸水検査で診断がつかない場合には、局所麻酔下胸腔鏡検査を行って胸膜生検などによる診断確定に努めています。
膿胸の症例では必要に応じて局所麻酔下胸腔鏡による胸膜癒着の剥離を行っています。
気管支鏡検査は苦しい検査と思われがちですが、
検査前の咽頭麻酔や気管支鏡挿入時の気管支鏡下の局所麻酔薬の注入を適切に行うことによって患者さんが予想していたよりも苦痛がなく行うことができます。
神経質な患者さんには静脈注射用麻酔薬を使用することによって眠っている間に検査を終了することが可能です。
最近14年間で気管支鏡による重篤な合併症は発生していません。
■スタッフ
- 院長補佐
部 長 - 豊嶋 幹生
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医学博士
日本呼吸器学会専門医・指導医
日本アレルギー学会専門医・指導医
日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医・指導医
日本呼吸器内視鏡学会指導医
日本内科学会総合内科専門医
日本内科学会認定医・指導医
日本結核病学会結核・抗酸菌症指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
浜松医科大学臨床教授
Infection Control Doctor
臨床研修指導医 - 副部長
- 幸田 敬悟
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日本内科学会認定医
日本呼吸器学会専門医
日本医師会認定産業医
日本結核病学会結核・抗酸菌症認定医
日本ACLS協会ACLSインストラクター - 医師
- 山下 遼真
- 非常勤
- 神谷 陽輔
-
日本内科学会認定医
日本呼吸器学会専門医
日本アレルギー学会専門医
日本結核・非結核性抗酸菌症学会指導医
浜松医科大学大学院医学系研究科博士
インフェクションコントロールドクター(ICD)
- 非常勤
- 佐藤 雅樹